江戸呑み……銀座ささ花(銀座1丁目)

■江戸東京…敬意を表する先輩同輩が営む名店

■銀座ささ花(銀座1丁目)

 

 銀座1丁目の信号を有楽橋方面に進み外堀通りに突き当たる手前右側に銀座ささ花。移転したカレーライスのニューキャッスル旧店舗のちょうど真向かい。この日は東京滞在の最終日で尚かつフライトが羽田深夜0時発ということもあり、本来であれば朝6時に一旦羽田空港へ行きチェックインを完了させ大量の荷物から解放されたかったところだが時間的に叶わなかった。そこで夕方一旦箱崎TCATに荷物を預けその後手ぶらで日本橋・京橋辺りで一杯やり、9時半頃またTCATに戻り荷物を受け取りそこから出るリムジンバスで羽田へ行こうと考えた。TCATからの移動も容易で旨い日本酒の呑める銀座1丁目の「ささ花」に予約を入れておく。約束の6時半ちょうどに到着、入り口の暖簾をくぐり階段を地下まで降りきるとカウンターの前。カウンター右端の席に通される。

とりあえずグラスビール、7月の蒸し暑さの中ひと作業終えた後のビールが旨い。料理はどうするかと訊ねられたのでとりあえず先付け八寸のような前菜で一杯やりたいと言うと、八寸から食事までセットのコースがお徳だと薦められる。しかし食事まで完食できるかどうかいまいち自信もなかったので、酒をやりながらアラカルトで少しずつお願いしたいと伝える。程なく擂り流しと八寸が運ばれる。擂り流しは冬瓜の緑とトマトの赤が美しく冷たくて旨い。八寸は海老を添えたほうれん草のゼリー寄せ、白バイ貝、食用鬼灯、冬瓜で穴子を巻いたもの、鴨ロース、蛸の柔らか煮、川海老から揚げ。どれも旨いが八寸皿に絵を描くように盛り付けられており見た目にも楽しめる。開運の波瀬正吉伝(火入れ)をもらう。一年ぶりに呑んだが旨い。

大吟醸酒で前菜のそれぞれを味わい食べ終わったところで燗酒に変える。雪中梅の本醸造をぬる燗で、それから肴に生本鮪の刺身もらう。鮪は赤身に脂が入っておりしっとりとして旨い。酒がすすむ。東北泉の純米酒「ちょっと雄町」のぬる燗と稚鮎の唐揚げと蛤の吸い物をもらう。この店では酒が運ばれる度に酒瓶のラベルをパウチしたものが添えられる。こういうサービスがあるのですねと申し上げると「皆さんうちは料理屋と勘違いされておりますが本来は日本酒専門店なのです」と女将さん。日本酒にはかなり力を入れており、あくまで料理は酒を旨く呑む為の脇役的存在なのだという。旬の稚鮎は鮮度がよく生臭さも全くなく旨い。蛤は見事な大粒だが柔らかくまた炊地も上品でやさしい味。「ちょっと雄町」の替わりをもらう。至福のひととき。

楽しい時間はあっという間、時計を見れば8時40分。あわよくば最後に丸雑炊をもらおうと考えていたが満腹につき次の機会までお預け。勘定を済まし酒と料理の礼を言い表に出ると、先ほどは気づかなかったが店前に入谷朝顔の鉢がある。なんとも風情があってよい。


■銀座ささ花

 

東京都中央区銀座1丁目4−9

第一田村ビルB1F

03−3561−3761