江戸呑み……三岩(浅草すし屋通り)

■江戸東京…敬意を表する先輩同輩が営む名店

■三岩(浅草すし屋通り)

  

 浅草・寿司屋通りはその名のごとく全盛期には18件もの寿司屋が軒を連ねる商店街であったが、現在は老舗の寿司屋寿司初総本店・寿司清、蕎麦の十和田、お好み焼き店、居酒屋などで構成される飲食系中心のアーケード商店街である。その寿司屋通りのアーケードを雷門通り側から入りすぐ右側に昭和二年創業老舗居酒屋の「三岩」。この日は夕方6時成田発の便で帰国。それまでの間午後三時位まで東京にいる猶予があったため、叔父を誘い浅草の居酒屋で一杯やることに。浅草にはホッピー通りのもつ焼き系や立ち飲みの店以外にも、ここ「三岩」や「酒富士」「ニュー浅草」など昼から通し営業をしている居酒屋があり、ランチの食事客に遠慮なくゆっくり座って酒がやれるのが嬉しい。

開店時刻の11時半ちょうどに暖簾をくぐる。入って手前のテーブルの奥側に通される。まずはビール。つまみに鱈ちり・天麩羅盛り合わせ・にしん酢・烏賊塩辛を注文。乾杯のビールを飲み干すと白鶴の燗酒に切り替える。いちはやくきた塩辛を肴に燗の酒をちびちびやる、旨い。卓上に鱈ちり用のガスコンロが置かれる。きれいに使われているがずいぶん年期の入ったものだ。最近はカセットコンロに押されてこういった卓上ガスコンロを見る機会も少なくなってきた。間もなくコンロの上にちり鍋が置かれる。具を鍋中央の中子の鰹醤油に直接つけて豚水によそえとのこと蓮華は用意されない。

 やがてにしん酢と天麩羅の盛り合わせも運ばれる。にしんは酢〆になっており糠漬けとはまた一味違って旨い。天麩羅は海老・キス・烏賊・甘唐辛子等、あえて天つゆでなく醤油で食べるがこれも旨い。燗酒が進む、酒の替わりをもらう。鱈ちりがちょうど良いあんばいになってきたのでこちらも食べる。鱈ちりをつつきながら燗酒・・・至福のひと時。

叔父とは久しぶりの再会ということもあり話も尽きないが、あまり一箇所に長居するという趣味がない。結局1時間半の滞在でビールとお銚子5本をやったところで河岸を変えることに。まだ時間もあるので徒歩で観音裏の釜飯屋に移動することにした。


■三岩

 

東京都台東区浅草1丁目8–4

03−3844−8632